「どうしたらよかったんでしたっけ!?」
この時期になると不動産を売却された方からご連絡をいただきます。
利益が出ずに損をした場合は確定申告が不要でが、
多くの方は不動産を売ったら譲渡所得税1の確定申告が必要です。
翌年の2月16日から3月15日に確定申告をしましょう!
確定申告がはじめて!という方も多いと思いますので、
まずは流れを確認してみましょう。
1.必要書類を揃える
2.税金を計算する
3.確定申告書を作成する
4.提出する
こんな感じです。
ここで「税金を計算する」という部分が気になった方がいらっしゃるのではないでしょうか。
そうなんです。
確定申告は、その年の儲けにかかる税金を「自分で」計算して納税するのです。
少しでも、手続きに前向きになれますよう解説してみたいと思います。
なお、私は税理士ではありませんので、
細かい部分は税務署もしくは税理士さんにお問い合わせくださいね。
必要書類を揃そろえる
まずは、提出書類をみていきます。
④不動産売買契約書
⑤領収書
一つ目の「確定申告書B書式」とは、個人事業主や不動産を売った人が使用する書類です。
二つ目の「分離課税用申告書」は、不動産を売却した所得が給与所得と分けて課税される分離課税であることから必要となる書類です。
三つ目の「譲渡所得内訳書」は、売却した不動産の情報を記入する書類です。
(各書類をご覧いただけますよう国税庁のリンクを張りましたので参考にしてください。)
四つ目の「不動産売買契約書」は、売った時と買った時のどちらの契約書も必要です。買った時の契約書がない場合は、取得費を売値の5%とみなします。コピーの提出で大丈夫です。
(印紙貼ってありますか!?貼ってないと、本来納付すべき3倍の過怠税が徴収されますよ!)
五つ目の「領収書」は、売った時や買った時の領収証、不動産屋さんに支払いした仲介手数料の領収証、登記費用の領収証などです。
★今回は、特別控除のことには触れていません。一般の方ですと、マイホーム(居住用財産)を売った場合の3,000万円の特別控除の特例などが適用できることがありますので、また別で書きたいと思います。
税金を計算する
まずは基本の計算式から・・・
【計算式】譲渡所得 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 )
譲渡収入は、売った時の金額です。注意いただきたいのは、受け取った固定資産税や都市計画税の精算金がある場合、加算してください。
★譲渡収入金額=売った金額+固定資産税及び都市計画税の清算金
取得費は、土地建物の購入代金と取得に要した費用を合計した金額です。但し、建物は減価償却2されますので、構造や経過年数に合わせて減価償却費を算出する必要があります。
【計算式】 建物の取得価格×0.9×償却率×経過年数=減価償却費相当額
★非業務用建物の償却率抜粋
A 木造の償却率 0.031
B 軽量鉄骨造の償却率 0.036(骨格材の肉厚が3㎜以下の建物)
C 軽量鉄骨造の償却率 0.025(骨格材の肉厚が3㎜超4㎜以下の建物)
D 鉄筋コンクリート造 0.015
※経過年数の6か月以上の端数は1年とし、6か月未満の端数は切り捨てします。
※建物の取得価格の95%を限度とします。
取得費がわからない場合、譲渡収入金額の5%(概算取得費)となります。相続などで昔から親や祖父母が持っていた不動産だとわからないケースが多いですね。
譲渡費用は、売るために直接かかった費用を言います。仲介手数料や登記費用、測量費用、印紙代、建物の解体費などが該当します。草刈り費用や今までの固定資産税などは対象となりません。
次に税率についてですが、
所有期間によって変わるので注意が必要です。
- 所有期間5年以下 → 短期譲渡所得
- 所有期間が5年を超える → 長期譲渡所得
一般の方の売却は通常5年超となることでしょう。
長期譲渡所得の税率は、所得税が15%と住民税が5%となります。
(ちなみに、短期だと所得税が30%と住民税が9%)
また、確定申告の際には、所得税とあわせて基準所得税額3に2.1%を掛けて計算した復興特別所得税4を申告・納付することになります。
確定申告書を作成する
パソコンがある場合は、国税庁のホームページから、確定申告書特集のボタンをクリックして確定申告書を作成してみましょう。手書きせずとも、印刷して提出も可能です。
※時期になるとトップページに特集ボタンが出てきます。
提出する
最後に提出方法を確認していきます。
提出方法は3つあります。
- 窓口持参
- 郵送
- e-Tax
なんといっても窓口提出のメリットは、窓口の担当者にこれでいいの!?と質問できることですね。
デメリットは、混雑と土日がお休みなところです。3月15日に近づくとかなり込み合いますので、早めに申告へ出向きたいところです。
その点、郵送やe-Taxは税務署が開いている時間に提出できない人には有力な手段です。
デメリットは、提出の際に不備のチェックをしてもらえない事でしょう。さらには、e-Taxはマイナンバーカードが必要ですので、作ってない方にはご利用できません。
また、e-Taxを見ていくとICカードリーダーライターという言葉が出てきます。ICカードリーダーライターとは、ICカードに記録された電子情報を読むための機器です。マイナンバーカードを読み込み手続きをすることになります。
これはAmazonや楽天などで1,000~1,500円ぐらいで手に入ります。デジタル省承認品e-Tax確定申告対応など表記されているものも目につきます。
スマートフォンとパソコンをペアリングしてマイナンバーカードを利用する「QRコード承認」というものも出てきましたね。マイナポータルアプリのインストールが必要になるようです。(詳しくはこちら)
何だかややこしいなあと思って郵送や結局窓口へ行く人も多い事かと思いますが、e‐Taxも増えているそうです。
あとは、税務署に電話すると丁寧に教えてくれます。税務署の方があまり忙しくない時期に質問して準備するのもいいでしょう。
津税務署 ☏059-228-3131 〒514-8545 津市桜橋2丁目99番地